オンボーディング Onboarding 「新卒社員」や「中途社員」が辞めない仕組みづくり
『オンボーディング』とは、新入社員をスムーズに社内に溶け込ませ、パフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくりを言います。この冊子ではHR先進国であるアメリカ企業の事例も踏まえ、人材育成のための最新のメソッドを解説。
オンボーディングの具体的な取り組み方をご紹介しています。
HRの基本
公開日:2021.6.3
「会社を欠勤する場合は必ず事前に連絡をするように…」当たり前のことではありますが、担当者は新入社員に伝えていることと思います。社会人として休む前に事前連絡を入れることは当然ですが、それでも無断欠勤をしてしまう従業員はいるものです。最悪の場合、その後会社に来ることなく退職となってしまう人もいるようです。
ではもし、自社の従業員が「欠勤」をした場合、注意の方法や扱い方など、どのようにすればよいのかが分からない人もいるかもしれません。「欠勤」と一言で言えども、休業や休職など…混ざってしまう単語はあるものです。
この記事では、欠勤の注意点や、解雇事由となるケースなど解説していきます。
目次
出勤をしなければならない日に休むことを欠勤といいます。多くの人は欠勤の意味を理解していると思いますが、社会人になれたてだと「欠勤は給与が支払われるの?」と疑問に感じる人もいるでしょう。一般的に、自分の都合で突然休んだ欠勤の場合、給与は支払われません。そのため、入社時には自社の休暇制度や欠勤と給与についての話などを、しっかりと伝えておく必要があります。
欠勤は、自己都合で仕事を休むことを表す言葉です。企業で働いていると欠勤以外にも休みを表す言葉を聞く機会は増えるでしょう。
例えば休業や休職の意味は、労務管理担当の従業員であれば必ず知っておかなければならないことですが、新入社員は以外と知らないものです。欠勤とは全く違うものですが「休」という漢字から、勘違いが生まれるケースもあるので、改めて言葉の意味をしっかりと教えておく必要があります。
休業というのは、企業と労働者が労働契約関係が続いているなかで「休暇を連続していること」を表す言葉になります。例えば、家庭の事情や体調の都合が原因で、働く意思があるのにも関わらず、休暇をとっている場合は「休業」となります。また、休業は労働者都合によるものだけではなく、企業側都合によるものもあります。企業側の都合として考えられるのは、操業停止などを命ぜられたための休業などになります。
休職というのは、労働者を業務に就かせることが難しいと判断した場合に、企業が業務を停止させることを言います。
この場合、企業と労働者の労働契約は継続していることになり、解雇とは違うものです。さらに企業側が本人に休職命令を出すか、労働者側からの申し出を承認をすることで休職を成立させることができます。
休職に関しては、給与が支払われることはありません。休業との違いは給与が支払われるのかどうかといえるでしょう。
欠勤というのは給与が支払われない休みで、給与が支払われる休みを「年次有給休暇」と言います。
基本的に仕事を休むのは欠勤扱いとなり、無断で休んだ後に有給を利用することはできません。もちろん、やむ終えない事情や理由がある状況であれば担当者に相談をすることで解決されることもあるでしょう。
「有給休暇」というのは、労働基準法39条に定められている権利になります。こちらを事前に申請し、本来働く予定だった日に休んでも給与が支払われるようにするのです。
この制度によって、ゆっくりと旅行に行けるよう金曜日に有給を取って3連休に、旅行から帰ってきた翌月曜日が体力的に辛いから月曜日は有給になどの使い方ができます。
基本的に有給は入社後半年経過してから付与されることが多いです。会社によって時期は違いますが、新入社員が入社後すぐに「有給を使いたい」と言ってもできないケースが多いので、事前に伝えておく必要があるでしょう。
働いていると当たり前になることでも、新入社員にとっては初めてなので、休暇に関しての情報などは予め伝えておくのは基本的な教育です。聞かれないから教えないという状態を作ると、のちのちトラブルへと発展してしまうこともあります。新入社員はもちろん、指導する自分たちのためにも予め伝えておくことを意識するようにしてください。
公休とは、働く者に与えられる休日のうち、雇用主が定めている休日です。一番多いケースが、週末の土日休みです。公休は雇用主側が定めた休みで、欠勤は労働者側の都合による休みと覚えましょう。
また、公休に出勤をすると休日手当という給与が発生することや、代休として別日に休みを取れるケースが多いようです。
ここまで欠勤や、休みを指す言葉の意味について紹介をしてきました。一言で休みといっても、意味には違いがあり、給与の支払いをするかしないなども変わってくるのです。
では、ここからは休みのなかでも対応が難しい、無断欠勤について解説します。
無断欠勤のとは、会社に事前の連絡をいれず自己都合で休むことです。連絡もなしに勝手に休むことは、社会人としてのマナー違反で、ともに働く従業員にも迷惑をかけてしまうでしょう。
もちろん、事故や突然の体調不良など、どうしても連絡ができないこともあるため、会社は「連絡できなかったから怒られてしまう」「解雇されてしまう」と感じてしまうような雰囲気を作らないようにしなくてはなりません。
もちろん、無断欠勤はいけないことですが、誰にでも間違いや失敗、不慮の事故はあるものなので正直に理由を話し謝罪の言葉が見受けられるのであれば、企業側としては必要な指導をして収めるのがよいでしょう。ただし、何度も同じことが繰り返される場合は、解雇を考える必要があります。
普通の企業なら、無断欠勤をしたから「その日に解雇!」とはならないでしょう。解雇を考えるケースがあるとすれば、無断欠勤が何度も続き信頼関係を築くことが難しくなった場合などです。
ただし、無断欠勤という欠勤自体が解雇理由に直接つながるわけではありません。大事なのは、就業規則に反しているのかどうかです。もし、企業の就業規則欄に無断欠勤についての規則が記入されていない場合は、解雇する理由になりません。
また、たとえ就業規則に反していたとしても即日で解雇をできるわけではないので、担当者は解雇の流れを頭に入れておくようにしてください。基本的に解雇をするとなれば懲戒解雇という方法での解雇となります。ただし、労働契約法に則った客観的に合理的な理由が必要となり、この部分が認められにくかったりもするのです。
連絡が取れないからといって解雇予告通知を突然労働者に送ってしまうと、不当な手続きをされたと逆に訴えられてしまうケースもも考えられます。したがって、解雇を行う場合はかなり慎重に対応を行う必要があるでしょう。
無断欠勤を繰り返されると、上司や人事担当は企業として早く連絡を取り、適切な対処をしたいと思うでしょう。しかし、いくら無断欠勤がいけないこととはいえ、休んでいるにはセンシティブな理由も考えられるため、対応方法に悩んでしまうこともあるでしょう。ここからはどのように対応をすれば良いのかを解説します。
何よりも大事なのは、まず本人と連絡を取ることです。携帯に出ないのであれば、実家や家族などに連絡をしてみてください。また、一人暮らしをしている場合は住んでいる賃貸の管理会社などに問い合わせをすることもできます。
本人と連絡が取れた際にメンタルの不調などを申し出られた場合は、産業医などに報告をしクリニックに通わせるなどの対応を取ることも大事になります。こちらは本人と面談などで話し合う必要がありますが、働きたい意思などがある場合は「即解雇」と考えないほうがよいでしょう。
この記事では、休みを意味する言葉の意味や欠勤、特に会社として対処が必要な無断欠勤についてご説明しました。休暇や休業など、意味を間違えていたというケースも意外とあるため、、本記事を参考に改めて確認してみましょう。
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