オンボーディング Onboarding 「新卒社員」や「中途社員」が辞めない仕組みづくり
『オンボーディング』とは、新入社員をスムーズに社内に溶け込ませ、パフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくりを言います。この冊子ではHR先進国であるアメリカ企業の事例も踏まえ、人材育成のための最新のメソッドを解説。
オンボーディングの具体的な取り組み方をご紹介しています。
人材育成・開発・研修
公開日:2021.4.15
仕事を始めると「出勤時間」や「始業時間」という言葉を聞く機会もあるでしょう。人事担当者としては、新しく入ってくる従業員にその言葉の意味を説明しなければなりません。出勤時間が8時に設定されている場合、ピッタリ8時を目指して会社に出勤してくる新入社員もいます。
企業によってはそれでOKかもしれませんが、社会人のマナーとしてはそれではいけません。
しかし、社会人としては当たり前でも経験がないとわからないということは多く、人事担当者は改めてそういった点を伝えておくべきでしょう。
目次
「そもそも始業時間とは何ですか?」と尋ねられることもあるかもしれません。字から分かるとおり、始業時間というのは仕事を開始する時間です。始業時間が会社に到着する時間と認識してしまっては、当然仕事の効率は悪くなりますし、遅刻と捉えられてしまうこともあります。
社会人として始業時間の意味を知っておくことは当たり前ですが、人事担当者としては、あやふやな言葉で伝えるのではなく「始業時間の10分ほど前には到着して始業時間に業務を開始できるようにするのがルール」など、明確に伝えたほうがいいでしょう。
始業時間は仕事を開始する時間、そして出勤時間は会社に出勤する時間です。
まず第一に出勤時間と始業時間は別物であることを新入社員などには伝えるようにしておきましょう。働いていると当たり前の言葉かもしれませんが、社会人になったばかりの時などは覚えることが多く、混乱してしまう可能性も。人事担当者としては出勤時間・出社時間についてしっかりと伝え、できれば各時間の何分前までに到着をすべきかまで伝えるとよいでしょう。
始業時間は業務を開始する時間のため、人事担当者からはっきりと説明することが重要です。参考までに一般的な例をご紹介していきます。
一般的に9時が始業開始であれば、8時45分ぐらいに到着をしている人が多いようです。自身の作業効率を上げる準備などを考えると、10分前だと、挨拶などをして準備をしているとあっという間に始業開始になってしまう可能性も考えられるので、少し余裕を持って行動をしたい人には15分前出勤をおすすめします。
意外と多いのが、始業時間ギリギリに到着をしている人たち。ある程度会社に慣れていて、すぐに仕事を始められるような状況であれば、そこまで問題はないでしょう。
しかし、新入社員などがこのような時間に到着をすると、人事担当社が指摘を受けてしまう可能性もあります。「業務開始時刻に間に合うように」など曖昧な言葉で伝えるのではなく、具体的に「始業開始15分前にはデスクに着くようにしてほしい」などと伝えることで、どのくらいの時間に来ればよいのかも明確になるでしょう。
新入社員の行動は意外と周りからチェックされているということを人事担当者として知っておかなくてはなりません。特に、多いのが「新入社員なのに始業時間ギリギリに来ているけど、ちゃんと教えているの?」など。遅刻は社会人としてあり得ないと許すことができない従業社員は多いので、人事担当者としては社内の雰囲気を守るためにも新入社員に適切な出社時間を伝えるようにしてください。
上述したように、始業時間というのは仕事を開始する時間になります。ギリギリに出社をしてしまうと、業務開始時刻に間に合わないケースも考えられるでしょう。
やはり、人事担当者は業務の一つとして新入社員のフォローをしなければなりませんし、人事担当の指導不足と捉えられる可能性もあります。「社会人だから分かるだろう」と伝えないのではなく、とにかく最初は丁寧に伝えることが大事です。
始業時間は企業によって異なるため、疑問を抱いた経験もあるのではないでしょうか?
「うちの会社は他社より始業時間が早い気がする」「他の会社はどのぐらいの時間から仕事を始めているんだろう?」など、気になることも出てくるはずです。ここからは、日本の会社の平均的な始業時間について触れていきます。
会社によって定められている始業時間には違いがあるでしょう。しかし、全国的な平均を取ると、大体9時を始業時間に設定している会社が多いようです。
次いで多いのが、8時半や9時半といった始業時間になります。受け取り方は人それぞれ違うと思いますが、8時間労働(1時間休憩)の場合、終業時間は大体17時半~18時半頃に設定をされています。
多少の差はあっても始業時間が早ければ定時は早くなりますし、始業時間が遅いと朝ゆっくりできます。従業員が納得しているのであれば始業時間が他社と違うことは問題ないでしょう。
教員はその日の授業の準備や、欠席連絡など、授業開始前にしなくてはならないことが多く、授業の開始時間の30分~1時間前が始業時間となっていることが多いです。
国では教員の勤務時間は7時間45分と定められていますが、どうしても始業開始時間は早くなってしまい、その時間帯だけでの勤務も難しいでしょう。さらに授業が終わっても部活の指導をしなくてはならないことが多く、授業が終わったからといってすぐに帰宅できない人も多いようです。
公務員である市役所職員の始業時間は全国共通で「8時半」です。会社の始業時間の平均より少し早い印象ではないでしょうか?就業時間はほとんどの場合17時15分か17時半になっており、始業開始時間から退勤時間まできっちりと定められているのが市役所職員の特徴といえます。
始業時間の30分ほど前に出勤している人も多くいます。特に新入社員などは確認事項が多くあるため、人事担当者は「まずは30分前に…」と伝えておいてもいいかもしれません。
では、業務を開始するための準備時間は仕事に含まれるのでしょうか。
結論から伝えると、準備をする時間などが会社の命令下にあるかどうかで労働時間となるかどうかは決まります。
労働基準法32条には「労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいう」といった旨が記載されており、事前準備を長くしたからその時間も労働時間に入るとは一概には言えないことを覚えておくようにしましょう。
もし新入社員などに「この時間は労働時間に入るのでしょうか?」と尋ねられた場合、即座に理由をつけて正しい回答をしなくてはなりません。質問されやすいものとしては、朝礼の時間などです。1分程度の挨拶であれば、労働時間に含まないケースもありますが、毎朝10分ほど昨日の報告から連絡事項を伝えている場合は、労働時間となる可能性が高くなります。
特に義務付けられている場合は、指揮命令下にあると考えることができ、労働時間といえます。会社の就業規則の確認をするなどして、自社の労働時間がどのように定められているのかを確認しておく必要があります。
今回は会社の始業時間について解説しました。始業時間というのは、仕事を始める時間です。事前に業務の準備時間も必要になり、出社時間とは違うことが分かるでしょう。
加えて、自身が効率的に仕事をこなせるような準備も大事になるので、できれば始業開始15分前には到着をすることを新入社員などには伝えることが人事担当者としては求められます。この記事が少しでも参考になれば幸いです。
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