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【第1回】労務管理、手続き系業務に忙殺されてしまっています… ~ 電撃人事エグゼクティブが斬る!

今回のテーマ
「働き方改革」への対応で多忙な人事部のための変革指南

今、人事部が大変です。
働き方改革関連法への対応や、少子高齢化社会の影響による採用難など、厳しい状況のなか労務管理から社員の教育まで…。やるべき仕事の範囲が広過ぎて、人事部はもはやパンク寸前です。
こんな大変な状況にある人事部に打つべき手はあるのでしょうか…。


今回の回答者
石坂 聡氏 Ishizaka Satoshi
(Asian Caesars 代表)

HRコンサルタント協会 理事。
外資系金融機関の人事部長を歴任。2013年にコカ・コーライーストジャパンの常務執行役員人事本部長に就任し、約30社の人事制度統合、企業文化改革、多大なるシナジー創出などを短期間で実現。電撃人事エグゼクティブとして名を馳せた。2017年10月にAsian Caesarsを立ち上げ、人事改革とグローバル人材育成のエキスパートとして、人事顧問サービス、エグゼクティブコーチング、講演など幅広く活躍。大手企業のリーダー達への変革指南で多忙な日々を送る。


Q.戦略性の高い、人事戦略の企画立案や組織活性化に注力したいのですが、労務管理、手続き系業務に忙殺されてしまっています。人事の業務を数限られたメンバーでどのように運営していけばよいでしょうか。

A.「人事の戦略」を考える時間が先!「やめること」を決めないと、いつまでもオペレーションに忙殺されてしまいますよ。

これは人事部長、人事担当からよく尋ねられる質問ですね。この手の質問に、いつも私は同じ回答をしています。まずビジネスリーダーたちと時間を取って、自社のビジネスについてじっくり話し合い、「人事の戦略」を考える時間を是が非でも取りましょう。「人事の戦略を考えていない」から日々の業務に忙殺されてしまうのです。

人事の業務は、採用から労務管理まで多岐に渡ります。日々のオペレーションに時間を取られてしまう、落ち着いて大局を見ることができない、ビジネス部門としっかりとした議論ができない…。そういったお悩みをよく聞きます。この「オペレーションに時間を取られてしまう」、という状態を引き起こしている最大の理由が「戦略的な話ができていない」ことです。私は何十年も人事に携わり「人事は戦略が大事だ」と言い続けているのですが、結局のところ人事が戦略を立てるための時間を取っていないことが多いのです。

人事戦略を考えるにあたり、人事のトップやリーダーは、社長を含めたビジネスリーダーたちと「そもそも自分たちの会社は何をする会社なのか」という根本に立ち返って、しっかりと議論すべきなのです。人事変革が世界中で叫ばれている昨今、大きく変革しなければ会社は生き残っていけいない、ということをすべてのビジネスリーダーは認識しています。だからこそ、あれこれ新しいことをやろうと考えます。しかし、大きな変革をするためには「やめること」、「縮小すること」、「やり方を変えること」なども見直す必要があります。その観点で見返してみると、これまで過去のやり方を踏襲してなんとなく続けてきたことの中に、「やめること」、「縮小すること」、「やり方を変えること」が出てくるはずです。これらが明確になれば、自ずと人事がやることも見えてくるのです。

しかし現状は、この戦略的な会話をすることなく、昔からやり続けていることを変えずにひたすらずーっとやり続けている…。それに加えて、経営陣からは「何か新しいことをやらなくちゃ」と、どんどん新しいプロジェクト、業務が下りてくる…。この繰り返しでは、いつまで経っても人事は日々のオペレーションの煩雑さから解放されません。

そこで、私から人事のトップ、人事のリーダーの方にやるべきこととしてお薦めしたいのが、まず自社のビジネスにしっかり食い込んで「やること」「やらないこと」を決めて、何にフォーカスすべきかはっきりさせること。そうやって見直していけば、「昔からやっている人事のこの作業、今はもういらないよね」とか「これは止めても問題ないよね」といったことがどんどん出てくるはずです。

電撃人事エグゼクティブからの金言

「人事の戦略を考える時間がない」のではなく、「人事の戦略を考える時間をとる!」という発想の転換をしましょう。「やめること」、「縮小すること」、「やり方を変えること」が絶対出てくるはず。


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