オンボーディング Onboarding 「新卒社員」や「中途社員」が辞めない仕組みづくり
『オンボーディング』とは、新入社員をスムーズに社内に溶け込ませ、パフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくりを言います。この冊子ではHR先進国であるアメリカ企業の事例も踏まえ、人材育成のための最新のメソッドを解説。
オンボーディングの具体的な取り組み方をご紹介しています。
オンボーディング
公開日:2021.5.19
仕事に関心が薄いとパフォーマンスを発揮できなくなり、組織全体に悪影響を及ぼします。上司がそういった部下に適切な対処をすることは大切な仕事の一つです。そこで、仕事に関心が薄い従業員への接し方や対策についご紹介しましょう。
仕事に関心が薄い従業員がいると上司はさまざまな悩みや問題を抱えてしまいます。
ただ仕事に対して関心が薄いだけではなく、悪気なく「自分は仕事に興味がない」と言い放つような従業員は、自分がよくない状態にあるという自覚がないため、改善を促しても聞く耳を持たないことが多いようです。そのため、どのように扱えばいいのか困ってしまいます。
真面目に仕事をする気があったとしても、楽しさを見いだせない場合があります。これでは仕事に対する意欲がなくなっていき、次第に興味も失ってしまうでしょう。こういった例は、やりたかった仕事をやらせてもらえず、あまり関心のなかった仕事に従事している際に起こりやすいようです。あるいは、本人の適正を無視して仕事を割り振られているケースもあります。
仕事に関心を持たない従業員は、業務にも意欲的に取り組まないでしょう。結果、パフォーマンスは低下し、会社の業績に大きな影響を与えます。さらに、やる気のなさは他の従業員に伝染する可能性も。組織全体の活力を奪いかねないのです。
上司は従業員のやる気を引き出してパフォーマンスを上げることが役割の一つです。そのため、従業員が仕事に関心を持たず、きちんと能力を発揮できないでいるならば、上司はマネジメント面についての評価が下がり、その責任を問われるのです。そのため、従業員の意欲を引き出すための努力をする必要があります。
どうして部下が仕事に関心を抱かなくなるのか、考えられる理由をいくつか解説しましょう。
精神的な悩みや不安を抱えていると、仕事に集中できなくなります。精神疾患にかかっている場合は、あらゆるものへの興味がなくなってしまい、仕事へのやる気が失われることがあるでしょう。ストレスが溜まっていて、仕事への関心を失ってしまうことも。これまで仕事に興味を持っていたとしても、精神的な問題があると無気力になり、どうしてもやる気や興味などが失われてしまうのです。
今の仕事や部署に合わない状態では、仕事へのやる気を出すことはできません。本人が希望していない部署への配属や、適正のない仕事を割り振られたりすると、やる気や興味を失いやすいでしょう。上司が従業員の適性や希望を見誤った結果としてミスマッチが生じることはよくあります。
何らかの原因で自信を失っていると、仕事に取り組んでも失敗して成果を上げることができないかもしれないと考えてしまい、積極的に業務をこなすのが難しくなります。そういった状態が続くと仕事への興味や関心も薄れてしまいかねません過去に仕事で大きなミスをしてしまったり、何度も上司や先輩から叱責されたりして、自信を喪失しているケースは珍しくありません。
どうすれば仕事に関心の薄い従業員のやる気を引き出せるのか?その方法をご説明します。
従業員の気持ちを汲み取り、適した対応をするための基本は、しっかりとコミュニケーションを取ることです。定期的にコミュニケーションを取るだけでも、よい効果を期待でき、部下は上司から期待されていると自信を持って仕事に取り組めるようになるからです。
従業員の希望や不満、悩みなどを日々聞き出すことも大切です。相手の不満や不安を取り除けるように全面的にサポートするとよいでしょう。こまめなコミュニケーションで、部下の内面を探ることを心がけるとよいです。
コミュニケーションを通して相手への理解を深めると、どうすればやる気を引き出せるかが見えてきます。従業員の性質に合わせて対策を考えるとよいでしょう。
従業員が自信を持っていないようであれば、回復させてあげることも上司の役目といえます。そのためには、どんな小さなことでもしっかりと褒めることが大切。駄目な点を指摘してばかりでは、逆効果となります。従業員が仕事の結果を報告してきた場合には、よかった点を見つけ出すための努力をしましょう。
褒めるためには、否定的な言葉を使わないことが重要です。ネガティブな言葉やマイナスな印象を与える言葉はできるだけ使わないようにしましょう。さらに、部下の名前を入れて褒めると、より伝わりやすく効果的です。
褒める場合にはできるだけ具体的な理由を說明するとよいです。あいまいな褒め方ではうわべだけと思われてしまい逆効果になりかねません。
従業員にはそれぞれ適正があるため、能力や希望に合った業務を担当させることが大切です。自分に合った業務であれば、上手くこなすことができ、成功体験も積むことができるため、自信を持てるようになります。そのためには、普段から従業員のことをよく観察して、適正を見極めることが大切です。
従業員がやる気を失っているならば、適正のない業務についている可能性が高いです。その場合は、本人と面談をして、違う業務を担当させるとよいでしょう。従業員が最も力を発揮できる業務につかせることを心がけるとよいです。
従業員のやる気を引き出す方法として競争心を煽るという方法があります。従業員同士を競わせることによって、同僚に負けたくないという気持ちにさせて、やる気を出させるのです。ただし、やりすぎてしまうと職場の雰囲気が悪くなるため要注意。適度なライバル心がちょうどよいです。
仕事に関心が薄い従業員と接する場合の注意点を紹介します。
仕事に対してやる気を出さない従業員にはつい叱りたくなるものですが、仕事への意欲を失った状態で叱ると、時に逆効果になります。余計に仕事への関心を失い、さらにやる気がなくなってしまう可能性も。そのため、まずはしっかりと話をすることを心がけ、頭ごなしに叱るのは避けましょう。やる気が出ないのには何か理由があるはずです。
どうして仕事に興味を持つことができないのか、その原因を探ってみましょう。本人としっかりコミュニケーションを取り、どのような理由を考えられるのか明確にしていきます。なかには本人が気がついていないケースもあります。
部下がやる気を失う原因が上司ということも考えられます。そのことを念頭におきながら原因を探るようにしましょう。もし、そうならば早急に改善する必要があります。部下への接し方や意識せずにパワハラやセクハラのような態度をしてしまっているケース、仕事の指示や指導の仕方に問題があることも多いです。部下を困らせるような対応をしていないか思い返してみましょう。
従業員が仕事に対する関心が薄くなるのを防ぐためには、普段から従業員のメンタル管理を心がけることが大切で、それは上司の重要な役割といえます。常に注目して、気づいた際には適切な対処をするようにしましょう。悩みを聞いたり、休暇取得を提案したりすることで、メンタルの不調に対応することが可能です。場合によっては、医療機関の受診をすすめることも有効です。
従業員が仕事に興味を持っていない場合には、そのまま放置しないように注意し、都度、適切な対処を取りましょう。やる気を取り戻させることができれば、きちんとパフォーマンスを発揮するようになり、企業の業績アップにもつながります。
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