オンボーディング Onboarding 「新卒社員」や「中途社員」が辞めない仕組みづくり
『オンボーディング』とは、新入社員をスムーズに社内に溶け込ませ、パフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくりを言います。この冊子ではHR先進国であるアメリカ企業の事例も踏まえ、人材育成のための最新のメソッドを解説。
オンボーディングの具体的な取り組み方をご紹介しています。
パフォーマンス管理
公開日:2020.2.28
あなたは部下との面談で、本音を聞き出せていると感じているでしょうか。「困っていること、悩んでいることはない?」と問いかけたとき、「特にありません」「大丈夫です」と返された言葉は、必ずしも本音とは限りません。「あ、たぶん本音じゃないな」と感じたことが、一度はあるのではないでしょうか。
しかし、一度「大丈夫です」と答えた部下に、「本当に?何か抱えているんじゃないの?」などとぐいぐい迫るのは難しいもの。「しつこい上司」と思われたくないですよね。そのためにも、できるだけ、面談では部下から本音を打ち明けてもらえる関係性を築きたいものです。
今回は、上司が身に付けておきたい「聴く技術」についてご紹介します。
目次
当たり前のように行っている「話を聴く」という行為。ただ、「聞き上手」という言葉があることからもわかるように、聞き方には上手・下手があります。単に「聞く」のではなく、「聴く」ことが大切です。
面談で上司が担うべき役割は聞き役です。では、どのように聴けば部下から本音を引き出せ、良い面談となるのでしょうか。
部下の本音を引き出したい上司が身に着けたいのは、「アクティブリスニング」というメソッドです。これは相手が話すことを共感と理解をもって聞き、その言葉から事実や話し手の感情をつかむ、コミュニケーション技法。3つのステップを押さえることで身に付けられる技術です。
<アクティブリスニング3つのステップ>
①準備→②本番→③フォロー
ファーストステップの準備では、会話の機会、今回の場合は面談の目的の確認や情報収集を行い、ざっくりとした質問内容をつくっておきます。
本番では、「傾聴」と「問答」を意識しましょう。ポイントは、ただ話を聴く「傾聴」だけに偏らないこと。適宜内容を深堀りするための「問答」を挟むことで、話し手である部下はより思考を深められるでしょう。
面談を終えたあとの「フォロー」も大切なステップです。「その後、どう?大丈夫?」という声かけから、部下は上司に面談の場だけではないサポート姿勢を感じられ、信頼関係の構築にもつながるでしょう。
面談の場では、「上司」や「部下」といった肩書きはいったん置いておき、人間同士の対話だという意識を持つこともおすすめします。より部下が本音を語りやすい雰囲気をつくれるでしょう。
また、質問を投げかける際の聴き方も重要です。面談を未来志向に持っていくためには、「現状のフィードバック→今後の目標・ビジョン」ではなく、先に部下がこれからどのような仕事をしていきたいかを聴きましょう。すべての部下が野心に満ち溢れているわけではなく、メンタルが強いわけでもありません。先にフィードバックをもらってしまうと、今後の目標やビジョンが、上司に言われた課題に取り組むことにとらわれてしまうこともあるのです。
「部下がどのようなことを考えているのか、さっぱりわからない」「どうも本音を言ってくれていないように感じるけれど、どうしたらいいんだろう」と悩んでいるときには、ふだん自分が行っているリアクションを振り返ってみましょう。いまいち反応が薄かったり、冷たいと捉えられかねないリアクションを取ってしまったりしてはいませんか?
話し手が気持ちよく話をするためには、適切な相槌が重要な役割を果たします。代表的な相槌は以下の通りです。
ポジティブな相槌や合いの手は、話し手の気分をよくします。部下との面談でも同じこと。部下の話に自然と乗ることで、部下が話しやすい雰囲気をつくり上げるのです。
相槌を打つときは、言葉だけではなく、表情も意識してみましょう。部下に建前で話をしてほしくなければ、上司であるあなたが本心から相槌を打つことが大切です。
「この上司なら話をきちんと聞いてくれる」と部下が思ってくれれば、社交辞令ではない話が引き出せるようになるでしょう。
上司と部下という関係性であっても、最終的には対人間関係です。いくら仕事上での上司とはいえ、不信感や気まずさ、話しづらさがある人に本心を明かすことはできないものでしょう。上司にとっては記憶にないほど小さな一言であっても、部下にとっては心を閉じてしまうほどの言葉になる場合もあるのです。
人と人との関係性は一朝一夕にはいきません。信頼関係を構築するためには、常日頃からコミュニケーションを大切にしたいもの。仕事の話だけではなく、趣味や家族のことなど、プライベートなことを含め、ざっくばらんに話せる関係性を築いていくことが大切です。
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