オンボーディング Onboarding 「新卒社員」や「中途社員」が辞めない仕組みづくり
『オンボーディング』とは、新入社員をスムーズに社内に溶け込ませ、パフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくりを言います。この冊子ではHR先進国であるアメリカ企業の事例も踏まえ、人材育成のための最新のメソッドを解説。
オンボーディングの具体的な取り組み方をご紹介しています。
パフォーマンス管理
公開日:2021.8.19
職位や立場にはさまざまな呼称があります。では、企業におけるにおけるチーフとリーダーとはどのような役職なのでしょうか。近年は企業内で英語の役職名が使われることも多くなりました。英語と日本語の役職名が混在している職場もあります。そのため、企業としても役割の定義があいまいになっているパターンも想定されます。そこで、この記事では、区別として混同されやすいチーフとリーダーの違い、及びその役割について解説します。
目次
企業におけるチーフとリーダーがどういったものかみていきましょう。最初に、チーフとは上に立って部下を持つ立場の人を指します。「チーフ○○」という具合に○○に役職名を入れる場合は、役職の上に立ちメンバーを統率する役割の人物を指します。
日本におけるチーフは、組織の編成によってさまざまな立場を指すため、相手の立場をまず把握しないとトラブルが生じやすい役職だといえます。そして、日本でチーフという役職を設定する場合、多くは社員を統率する役目の人を指す場合が多い傾向にあります。つまり、役職のない社員の一つ上の立場の班長役がチーフだといえるでしょう。
対して、海外でチーフと言うとCOO(Chief Operating Officer)やCFO(Chief Financial Officer)という社長の下に立つ最上位の役職となります。そのため、混同しないように注意が必要です。
次にリーダーも、言葉の意味としてはチーフと似ています。組織の上に立ち、その組織の方向性を決めて導く立場にある人がリーダーです。特に組織のメンバーの主義や方向性が違う場合、それぞれのグループでリーダーが必要となります。
リーダーは、さまざまな立場をあらわすため、状況によって役職の意味が違ってくるでしょう。「グループリーダー」のように「○○リーダー」となると、その組織の統率役を指します。ただし日本でリーダーという役職を設ける場合、社員の班長であるチーフの上に立つ役職を指す場合が多くなります。
チーフとリーダー、いずれの役職も組織の違いによって違う立場を意味します。自分の会社であっても取引先であっても、その役職名があらわす立場を確認する必要があるでしょう。
チーフとリーダーはどちらもチームの統率者をあらわす言葉です。実際、チーフとリーダーという言葉は組織によって捉え方が異なり、組織の成り立ち方によって違う立場になり得ます。
しかし、日本企業の中ではリーダーが係長や班長、チーフがそのリーダーの補佐となる場合が多くなっています。たとえば、リーダーが課長でチーフが係長に当たる場合もあります。
日本では、チーフとリーダーは組織によって捉えられ方が違うので、どちらが高い役職なのかはルールでは決まっていません。しかし、一般的にはリーダーの下にチーフがいることになります。
ここでは、日本企業の役職の典型例とその役割をみていきましょう。
チーフやリーダーに必要な役割やスキルについて見てみましょう。チーフもリーダーもチームやグループの統率者であるため必要なスキルは基本的に大きく変わりません。リーダーが係長や課長、チーフが補佐という場合、リーダーの方により強い統率力が求められます。
では、日本式の体制についてみていきましょう。
リーダーに必要なスキルはチームの監督能力があります。リーダーはチームを統率するので部下から支持される魅力を持ち、部下が上手く指示に従って業務を行うように見守らなければなりません。チーフは同様にその下で管理を行い、リーダーをサポートする必要があります。
部下に業務を振る能力も大切です。リーダーは統率者として部下の業務の配分を考えなければなりません。部下の間に不満が出ないように、場合によっては成長を促すために試練を与えて業務の配分を考えるには、それなりの能力が必要です。
この場合、指示として与えた業務を快くやってもらえないのでは意味がありません。リーダーには指示を与えた業務を部下にやってもらうための信頼も必要です。チーフも同じような能力、もしくはリーダーを上手くサポートする能力が大切になります。チームの業務を円滑に回せるかどうかはリーダーの腕にかかっているといえるでしょう。
リーダーとチーフの両方に必要だと言えるスキルには、部下をサポートする能力があります。企業として、体制を整えていない場合には、外部研修を取りいれてでも育成していく視点が必要です。業務についてサポートする能力は、部下が業務で失敗をした時にその解決策を考えるためのものです。営業の仕事であれば、取引をスムーズにするためにリーダーが顔を出した方が良い場合もあるでしょう。
部下の仕事のモチベーションを上げることもリーダーやチーフが行うべき部下のサポートです。たとえば、以下のような動きが想定されます。
また、リーダーやチーフには業務以外の部分でも部下をサポートできる能力もある程度必要です。たとえば、部下に悩みがあって仕事が上手くいかない場合は、相談に乗ることで助けになるかもしれません。そのためには、部下の様子を理解する観察力も必要だといえるでしょう。
理想のチーフやリーダーはチームを活性化し、良い結果を導き出す役割があります。しかし、全ての職場のチーフやリーダーが優れているわけではありません。チーフやリーダーに問題がある場合には、そのチームにさまざまな悪影響を与えます。
ここでは部下がチーフやリーダーに抱く不満について取り上げましょう。
まず、希望の業務を担当させてもらえないというものがあります。チーフやリーダーの中には自己中心的でわがままなあまり、部下の立場を考えずに業務の配分を行う人がいます。また能力不足で部下の立場に気が回らないチーフやリーダーも想定されます。
中には、ただ権力をかざすだけで自分は動かない人もいるでしょう。こういった場合、一方的に部下を叱るだけで、その叱り方も人情味がない方法となっていることも少なくありません。こういった権力的なチーフやリーダーがチームを統括すると、部下の不満は一気に溜まります。
次は、部下を平等に扱わないという不満も噴出するでしょう。業績の良い社員のみをひいきして、他は相手にしない場合、自分が好意を寄せる女性社員のみをひいきする可能性があります。こういった不平等はひいきをされている部下も含めて全員に不満や不信感を与えるでしょう。
チーフやリーダーの中には自分の機嫌で大きく態度が変わる人もいます。そういった上司の部下は、上司の機嫌をうかがいながら毎日の業務を行わなければならなくなり、ストレスが溜まります。
加えて、良いチーフやリーダーは特に部下のトラブルの時にフォローするものです。しかし部下のトラブルから逃げたり、知らないふりをするチーフやリーダーもいます。更には自分のミスを部下の責任にする悪質なケースも想定されるでしょう。
そして、チーフやリーダーに対して部下が信頼を失う理由としては、約束を破ることもあげられます。部下に業務を遂行してもらうために、成功した場合の条件を付ける場合もあるでしょう。しかし、約束は大したことはないと判断する上司もいます。
以上のことを踏まえると、チーフやリーダーには頼りがいがあるだけでなく、社会的常識をわきまえたうえで、人格として否定的でない人物が求められます。
役職のアップは、人物の評価と仕事の評価で一般的には決まるものだといえます。研修や学習などを用いて、必要な判断力や責任感を育てて行かなければなりません。
企業としては、自社のリーダーやチーフになってほしい人間に対する明確な基準を決める必要があります。また、現状でそういった立場の人々がどういったスキルを持っているのか判断することが大切です。責任感や指導力、正しいコミュニケーションなど自社にとって必要な能力基準を規定しましょう。
この記事では職場の役職であるチーフやリーダーについて取り上げました。日本企業において、リーダーは係長や課長、チーフはその補佐役をあらわす場合が一般的です。しかし、同じ役職名でも会社によってその立場が異なる場合があるので事前の確認を行いましょう。
チーフやリーダーに求める能力は企業ごとに異なります。そのため、必要な能力や周囲の評価など、人物評価などから見直す必要があります。
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