仕事上での役職に、課長や部長のほか、マネージャーやリーダーという言葉を使う企業も多いかと思います。改めて、マネージャーとはどのような役割でしょうか?簡単に説明すると「組織の成果に責任を持つ者」。部長や課長などの役職と同様に、会社や組織におけるさまざまな業務の管理・運営を行う責任者です。では、マネージャーに必要なスキルとはどのようなものでしょう?今回の記事では、まずマネージャーとリーダーの違いを明確にし、マネージャーに必要なスキルにフォーカスしていきます。
目次
マネージャーとリーダーの違い
マネージャーとリーダー、この2つは似て非なる役職です。それぞれの役割について、詳しくご紹介します。
マネージャーとは?
マネージャーとは、企業のメンバーが最大限にパフォーマンスを発揮できるように役割分担をしたり、成長をサポートしたりする存在です。例えば、ホテルなどの支配人や企業の管理職などがマネージャーに当たります。マネージャーの主な役割を、もう少し掘り下げてみましょう。
組織自体の管理・指導などを行う存在
企業の規律や方向性、ビジョンや目標を理解したうえで、それに沿うように部下たちの仕事やタスクを具体的に指示する。それらを踏まえて結果の追跡を行い、管理と職務の遂行に責任を持つ。
組織メンバーを「より成果が上げられる」よう導く人
メンバーの適正をしっかりと把握し、それぞれに適した人員配置を行う。そして業務を割り当て、どのように達成するかを指南する。また、彼らが目標を達成できるようモチベーションにまで気を配り、管理する。
一人ひとりのパフォーマンスを最大限発揮できるようにサポートし、評価・フィードバックする
メンバーの能力を高めるための育成や教育、開発を行い、能力を管理する。また、メンバーの目標を設定し、それを達成するための管理を行う。
リーダーとは?
リーダーとは、グループの先頭に立ち、先導して組織の方向性を示し、率先して牽引する人のことです。歴史上の人物だと、坂本龍馬やナポレオンなどがリーダーに当たります。その役割を詳しく見てみましょう。
自らが先頭に立ち進むべき方向に向かって突き進む存在
自らメンバー全員が共感する方向性やビジョンを描き、全員が同じ方向を向けるように組織を導く。それを達成すべく部下を鼓舞することでより大きなプロジェクトを動かし、方向性にブレがないかを確認し、過程で発生した問題点を把握、改善する。そしてメンバーの期待感を高め、チームが一丸となって進んでいけるようにする全体的な方向性を定める。
実務上での影響力を発揮する存在
既成概念にとらわれない、新たなイノベーションを起こす革新的な行動力を持っている。変革に力を入れ、従業員の情熱とエネルギーを高め、メンバーの役割や生産性、全体的なチームの成功を変革するためのアプローチを続け、従来とは異なる新しい方法での仕事の完遂を目指す。また、失敗や困難を恐れない勇気を持ち、新しくより効率的な方法を生み出そうと努力する。
自身が手本を示すような立場にいる
ただ指示をするだけではなく、自ら率先して行動する。その姿勢を積み重ねることで、「リーダーについていく」という意識をメンバーに抱かせる。
今後求められるマネージャー像
ではこれからの時代、マネージャーにはどのようなスキルが求められていくのでしょう?詳しくご紹介します。
論理的思考力のある人
メンバーや関係者に物事を分かりやすく伝える能力が必要。企業の目指す目標や方向性、プロジェクトの内容など誰もが等しく理解していなければならないため、論理的思考力がないとうまく伝えることはできない。
スムーズに意思疎通ができる人
メンバーはもちろん、経営陣ともスムーズに意思疎通ができるコミュニケーション能力が必要。
状況を把握し、一人ひとりに適した仕事を振り分けられる
「論理的思考力」「意思疎通できるコミュニケーション能力」が備わっていれば企業が求める目標を把握することができ、目標達成のために各メンバーに適した仕事を振り分けられるようになる。
意思決定力のある人
「論理的思考力」「意思疎通できるコミュニケーション能力」「会社の状況を把握」したうえではじめて、目標達成の戦略を立て、今の状況で何が最善かを判断し、それに即してメンバーを動かすことができる。
マネージャー育成のための教育とサポートは必須
「マネージャー」といっても多くの役割やミッションがあり、統括する部署のパフォーマンスを最大限発揮させるために、あらゆる能力が求められることがわかります。単に一従業員として業務上で求められるものとは別のスキルが必要なのです。とはいえ、全員が最初からマネジメント能力に長けているわけではありません。企業には、各メンバーと同じように、マネージャーに対しても教育とサポートが必要不可欠といえるでしょう。