休み明けは誰しも「明日から会社かぁ」と多少は億劫になるもの。休日をのんびりと過ごした後にはなおさらでしょう。
普通は仕事がスタートしたら自然と身体も心も仕事モードになるものですが、それがなかなかスイッチが切り替わらず、体調不良や集中力の低下、さらに欠勤などにつながってしまう場合があります。
特に5月のゴールデンウィーク明けに起こる状態は「五月病」と呼ばれ、これがきっかけとなって徐々に症状が悪化してしまう場合もあるのです。
そこで今回は、「五月病」の主な要因と対策についてご紹介します。
五月病ってそもそも何?どんな症状が出るの?
「五月病」とは、実は正式な病名ではありません。新しい環境に入ったばかりの新入社員や大学生が周りの環境に適応できないことから、無気力な状態になり、精神的にも身体的にも不調が出てしまう状態。その多くは「適応障害」と診断されるようです。
その主となる原因はストレスと言われ、新しい環境への不安感や人間関係などが元になっていると言われています。
近年では6月に入ってからそういった症状を訴える人が多くなったことから、「六月病」とも呼ばれているそう。
六月病は主に、正式に配属先が決まって実務に取り掛かり始めた新入社員に多いようです。
症状は人によってさまざまですが、やる気が起きない、気分がすぐれない、疲れているのに眠れない、食欲不振、動機やめまい、さらには吐き気や手足の震えなど深刻な症状に陥ってしまうこともあります。
五月病を引き起こす要因とは?
新入社員をサポートするクラウドHRシステム「クラウドオンボーディング 『MotifyHR』」を展開するアックスコンサルティングは、「連休明けの仕事」に関するアンケート調査結果を実施。
調査によると、「連休明けに会社に行きたくないと思ったことはありますか?」という問いに対して、なんと約8割が「ある」と回答。多少の温度差はありつつも、ほとんどの人にとって、連休明けの仕事は憂鬱なもののようです。
その大きな理由は次の3つ。「1.連休後の疲れ」「2.早起き」「3.溜まった仕事」。これ以外にも満員電車や人間関係が理由になっている人もいました。
このような理由から仕事へのストレスが蓄積し、本格的な五月病へ進行してしまうのかもしれません。
ここまで記事を読んで、「もしもかすると五月病かも?」と思った方や周りに心配な人がいる場合は、厚生労働省が提供する「労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト」を試してみてはいかがでしょうか。
あくまで一つの指針ですが、自分の身体と心を客観的に判断するきっかけになるかもしれません。
厚生労働省【労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト】
1. イライラする
2. 不安
3. 落ち着かない
4. 憂鬱だ
5. よく眠れない
6.体の調子が悪い
7. 物事に集中できない
8. することに間違いが多い
9. 仕事中、強い眠気に襲われる
10. やる気が出ない
11. へとへとだ(運動後を除く)
12. 朝、起きた時、ぐったりした疲れを感じる
13. 以前とくらべて、疲れやすい
五月病を防ぐために実践。5つのポイント
五月病を防ぐにはストレスを溜めすぎないことが重要。そのうえで、予防策として有効ないくつかのポイントをご紹介します。
自分に寛容になる
仕事に対して真面目な人や几帳面な人、完璧主義や頑張りすぎたりする人は五月病や六月病になりやすいと言われます。適度に力を抜くことも時には大切です。
好きなことをしよう!
休みの日には趣味や家族との時間、発散できるショッピングなど、どんなことでも構わないので、自分の気持ちを解放できることをして適度な気分転換を心がけましょう。
適度な運動でリフレッシュ
スポーツや筋トレなどで身体を動かすことは心にも良いこと。だるさや疲れは適度な運動によって解消できる場合があります。
体内リズムを整える
バランスのよい食事や正しい睡眠、ゆったりとリラックスできる入浴などで、体内リズムを整えましょう。スマートフォンやパソコンの見過ぎにはくれぐれも気をつけたいものです。
打ち明けられる仲間をつくる
同じ悩みを抱えていたり、自分を理解してくれる友人はかけがえのないもの。特に気持ちが弱っている時には、なによりの寄り所になってくれるはずです。
上記のような対策と併せて、上司や友人を気にかけるのも大切なこと。特に完璧主義者やまじめで責任感の強い人ほど自分で自分を追い込んでしまう傾向にあります。
当事者はもちろん、周りの人からの声掛けや相談しやすい職場環境で、五月病を未然に防ぐことができるかもしれません。
まとめ
なんとなく会社に行くのが憂鬱だったり億劫なのはよくあることかもしれません。しかし、もしも症状が続いたり慢性化すようなら要注意です。
大切なのは必要以上にストレスを溜めすぎないこと。そして連休中も規則正しい食事や睡眠で生活リズムを整え、適度にリフレッシュするよう心がけましょう。
とはいえ、五月病は誰でもかかる可能性があります。「もしかしたら…」と不安になった場合は、一人で抱え込まず、心理カウンセラーなどの専門家に頼るのも賢い選択と言えます。