オンボーディング Onboarding 「新卒社員」や「中途社員」が辞めない仕組みづくり
『オンボーディング』とは、新入社員をスムーズに社内に溶け込ませ、パフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくりを言います。この冊子ではHR先進国であるアメリカ企業の事例も踏まえ、人材育成のための最新のメソッドを解説。
オンボーディングの具体的な取り組み方をご紹介しています。
パフォーマンス管理
公開日:2019.11.5
どうにも営業成績が上がらない部下。「営業スキルが身につかない」「でも、どうすればいいのかわからない」そう悩んでいるのなら、まずはセールストークが適切にできているのかどうかを改めて考えてみましょう。
会話の糸口となる質問には「拡大質問」と「限定質問」の2種類があります。これらを使い分けてセールストークに挑むと、お客様との会話が盛り上がり、結果に結び付けられるようになるはずです。
目次
優秀な営業は、コミュニケーション能力に秀でているもの。しかし、コミュニケーション能力が高い人=明るい社交的な人と思いこみ、「自分には向いていない」「あの部下には向いていない」と思うのは早計です。
「営業スキル」といわれるように、スキルを身に付けることで営業成績を伸ばすことは可能。そのために、まず知っておきたいのが、質問の使い分けです。
私たちは、ふだんコミュニケーションをとるなかで、2種類の質問方法を使い分けています。それが、今回ご紹介する「拡大質問」と「限定質問」です。
拡大質問は、「なぜ?」「どのようなものが好き?」という問いかけのこと。どちらの質問方法がいいというわけではなく、会話のなかに2種類を織り交ぜることが効果的なのです。
営業のセールストークにオープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを取り入れるため、まずは両者のメリットとデメリットを確認しておきましょう。
メリット
デメリット
メリット
デメリット
これらのメリット・デメリットを踏まえ、押さえておきたいのは、以下の2つのポイントです。
これを逆にしてしまった場合を考えてみましょう。営業トークを展開したいのに、「こういうお困りごとはありませんか?」とクローズドクエスチョンを用いてしまうと、「ないです」と門前払いを食らってしまう可能性がみえてくるのではないでしょうか。まずは話を広げたうえで、お客様が抱えているお悩みに触れる糸口を探りましょう。そのうえで、最終的には「こちらとこちら、どちらがいいですか」と2択を選ぶだけの質問で締めるのです。
オープンクエスチョンは、主に相手のニーズを探りたいときに使える質問手法です。前章では、営業トークの最初に用いることがポイントとご紹介しました。例をあげて考えてみましょう。
<アパレルショップで働いている場合>
店員:何をお探しですか?
客:ジャケットを探しているんですけど…
店員:どのようなシーンで着るジャケットをお探しですか?
客:研修で着られるフォーマルなジャケットが欲しいんですけど、ふだんは私服勤務なので、せっかくならプライベートでも着られたらいいなと思っているんです。
店員:お仕事でたまにしか着られないのはもったいないですもんね。色など、具体的なイメージってございますか?
客:ブルー系の色味で、あんまりかっちりしすぎていないものがいいかな。デザインに遊び心があるものとか、ありますか?
「何を」「どのような」など、お客様がイメージしているニーズを引き出す質問が中心です。同じシーンを、クローズドクエスチョンを用いると、以下のような流れになります。
<アパレルショップで働いている場合>
店員:何をお探しですか?
客:ジャケットを探しているんですけど…
店員:お仕事で着られるジャケットですか?
客:あ、まあそうですね。仕事でも着ます。
店員:「も」ということは、プライベートでも着られるものをお探しでしょうか。
客:えっと、そうですね。
店員:1着で仕事・プライベートともに着こなせるジャケットをお探しなんですね?
客:ええと、はい、そうです。
店員:かしこまりました。ジャケットの色味のご希望はいかがでしょうか。
客:ブルー系かなあ。
店員:ブルー系、爽やかでいいですよね。では、具体的にどのようなイメージのものがいいかお聞きしてもよろしいでしょうか。
客:ええと、はい。研修で着られるフォーマルなジャケットがほしいんですけど…(以下続く)
自ら話してくれるお客様に対して、クローズドクエスチョンの多用は押しが強すぎると思われる可能性があるでしょう。ただ、口数が少ないお客様には、クローズドクエスチョンを織り交ぜるのは効果的です。その場合は、はじめと終わりにはオープンクエスチョンを取り入れることがポイントです。
2種類の質問手法に優劣はありません。うまく使い分けられるようにしたいものですね。
営業トークをはじめたとたんに「No」と突き付けられてしまっては、本題に入ることすらできません。また、最後には選択肢から答えをはっきり出してもらうことが必要です。
「はじめはオープンクエスチョン、終わりはクローズドクエスチョン」ということを頭に入れ、営業スキルを向上させましょう。
この記事を書いた人