本日はいよいよATD2019の最終日。
HR BLOG編集部は、朝一番に行われたパフォーマンスコンサルタント兼インストラクションデザイナーのChris Adams氏のセッションへ参加しました。
Chris Adams氏はHandshawのシニアコンサルタントであり、同社のソフトウェア・Lumenixの共同発明者でもあります。
ATDのコンカレント・セッションはあらかじめいくつかのテーマに分かれています。
Adams氏の発表は人材開発担当者や、ラーニング&ディベロップメントの担当者の役割や進化を主なテーマとした「Managing the Learning Function」の中の一つとして「Design Your Department to Deliver Strategic (Not Only Tactical) Results『戦術的ではなく戦略的な結果を出せるよう部署を設計すること』」というタイトルで行われました。
今、多くの人材開発部門は、戦術的ではなく戦略的なチーム設計にフォーカスしつつあるといいます。
短期間に小さな変更や改善で現状を変える手段が「戦術」だとすると、「戦略」はより長期的なスパンで会社の進むべき方向について熟考することだといえるでしょう。
しかし、その二つは相反するものではなく、整合性があるものだとAdams氏は語ります。
これからの部署設計は、5~10年先を見通す戦略的な考えで、戦術的に業務をこなしていくことが必要であるといいます。
そこでスムーズに戦略的な部署設計へと移行するために必要となるには、4つの要素が重要とのことでした。
<4つの要素>
- 企業のミッション(理念)を考える
ミッションは短く、簡潔なものにする
推奨されるソリューションだけでなく、得られた結果にフォーカスする - ミッションを叶えるために作業プロセスを調整する
戦略的な部署にするためには、「協力段階」→「評価段階」→「実行段階」→「測定段階」というフェーズで考える - ミッションを叶えるための組織を構築する
個人ではなく、ワークグループ、何人かのグループを対象とし、組織を構築する - ミッションを叶えるために従業員の作業環境を良くする
戦術的かつ戦略的な成果につなげるために報酬制度を調整する
Adams氏の発表は大変わかりやすく、戦略的な部署設計の必要性がよくわかる内容でした。
今後は日本でもより戦略的に長期的な視点で組織運営を考えたうえで、具体的な組織構築、報酬制度の整備など必要な戦術を駆使していく必要があるでしょう。