オンボーディング Onboarding 「新卒社員」や「中途社員」が辞めない仕組みづくり
『オンボーディング』とは、新入社員をスムーズに社内に溶け込ませ、パフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくりを言います。この冊子ではHR先進国であるアメリカ企業の事例も踏まえ、人材育成のための最新のメソッドを解説。
オンボーディングの具体的な取り組み方をご紹介しています。
テレワーク
公開日:2021.1.8
新型コロナウイルスの影響で、今まで当たり前だったことが、当たり前にできなくなる日々が続いています。働き方もその一つです。この現状をうけて、新しい働き方をスタートさせたいと考える企業も多いでしょう。
そうなると気になるのが導入が増えているテレワークです。「どういった企業が導入しているのか」、「自社で導入できるものか」といった疑問も多いので社ないでしょうか。そこでこの記事では、最近増えているテレワークを導入した企業の共通点から、改めてテレワークという働き方について解説していきます。
目次
まず皆さんに知ってほしいのは、テレワークという働き方が、一体どのような働き方なのかということです。テレワークという言葉は「tele」と「work」という二つの言葉を組み合わせた造語になります。「遠い場所で働く」という意味で、場所や時間に捉われることなく働ける方法です。
そんなテレワークは、在宅勤務、モバイルワーク、そしてサテライトオフィス勤務の3種類に分かれており、導入を検討する場合は「どの働き方が自社に合うか」を考える必要があるでしょう。
テレワークを導入し、成功させる企業にはいくつかの共通点があります。ここからはそんな共通点をご紹介します。
テレワークという新しい働き方は、今までとはまったく違う働き方になるでしょう。これまでパソコンを利用してきた人でも、実際に在宅や別の場所で作業することで「違和感」を感じることが多くあるかもしれません。
企業としては、そういった従業員が感じる違和感や不安に、随時対応できるような準備を整えることが成功への鍵となります。「導入したから後は従業員に任せる」ではなく、導入してから起こる不具合などにしっかりと対応できる企業ほど、成功させることができるのです。新しい変化を取り入れ、柔軟に対応する準備ができていないと、テレワークを導入しても成功させることは難しくなるでしょう。
これはテレワークを導入する企業の多くが「多くの従業員を抱えている」という統計から考えられるものです。そのため、300名以下だから成功しない、以上だから成功する…というわけではありませんが、やはり大企業ほど、テレワーク用のチーム編成ができていたり、不備や不具合に迅速な対応をしやすくなっていると考えることができるでしょう。ただし、人数が多い分、問題が起きやすいのも現実です。もちろん、中小企業でも、導入し成功している企業はあります。。いずれにしても、成功させるためには、テレワークを導入するためのチームを編成する必要があるでしょう。
テレワークを導入して成功させている企業は、WEB業界や企画など、専門職をメインとしている企業であることが多いです。やはり、テレワークの導入は企業により向き・不向きがあります。
直接会って話をする必要がある販売業や、接客業を行っている企業がテレワークを導入してしまうと、うまく導入ができない可能性も高いです。したがって、安易に導入をすると失敗をする可能性があるのもテレワークの特徴であることを覚えておくとよいでしょう。
先ほどテレワークを導入して成功をする企業の特徴を紹介しました。ここからはテレワークの導入に失敗する可能性がある企業の特徴をご紹介します。
テレワークを導入すると従業員同士のコミュニケーションが減ってしまいがちです。そうなると必然的に生産性が下がり、テレワーク自体が失敗に終ってしまうかもしれません。どんな環境であっても一緒に仕事を行ううえで「報連相」を含めたコミュニケーションは必要です。
オフィスで働いていれば、いつでも直接伝えられることが、テレワークを導入することでメールや電話を通しての連絡になり、手間に感じてしまう従業員も出てくるでしょう。
「面倒だからしなかった」という従業員が出てこないように、気軽に連絡が取れるチャットツールの導入など、コミュニケーションをとることに意識を向けられないと導入は失敗してしまう可能性があります。
テレワークを導入する前に企業は「労働時間をどのように管理するのか」を決めておかなければなりません。今までと同じ出勤・退勤方法ではなくなるので、管理ツールやシステムを導入する必要もあるでしょう。
ここを怠ってしまうと、従業員の労働時間を把握することができず、規定の時間を大幅に超えて働く従業員も出てくる可能性があります。今まではタイムカードのみで労働時間を管理していた企業も、テレワークの導入に伴って、パソコンの使用時間の記録などを行う必要もあるでしょう。
「他社がしているから」という理由だけで、テレワークを導入してしまうのも大変危険。やはり、テレワークの導入には向き不向きがあるので、慎重に検討すべきです。
例えば、従業員を「労働時間」で評価をしている企業などは、「見えない場所で働くテレワーク」に向いていないといえるでしょう。このような評価制度を利用していた企業がテレワークを導入・成功させるには、まずは人事制度の見直しなどが必要になります。
ここまでテレワーク導入が「成功となる企業」と「失敗となる企業」の特徴を紹介しました。安易に導入すると後悔をしてしまう可能性があるので、導入前は「どのような事前準備をする必要があるのか」を考える必要があるでしょう。
では、ここからはテレワークを導入することで起こりうる「よい効果」をご紹介します。
従業員がオフィスに出勤しないということは、これまでオフィス環境を整えるためにかかっていたコストを削減することができます。例えば、特定の職種だけオフィス勤務になるのなら、今まで広く借りていたオフィスを解約して、安い賃料のオフィスを借りることもできるでしょう。全員がテレワークになった場合、オフィス契約を解約して浮いたコストで従業員のネット環境を整えることもできるはずです。
テレワークを導入が成功し、継続できる見込みがある企業には、働きたいと考えてくれる優秀な従業員が集う可能性が高いです。やはり、これだけ「テレワーク」という言葉を聞いていても、実際に導入をしている企業は少なく、ましてや継続させている企業の数はあまりありません。
だからこそ、テレワークの働き方を当たり前にできた企業には「ぜひ働きたい」と希望者が集うのです。そのなかから優秀な従業員を選ぶこともできるため、この人材不足の時代でも優秀な従業員と巡り合える可能性が高くなるでしょう。
育児や介護などの理由で「働きたいけど働き続けることができない」と悩んでいる従業員を見てきた人も多いでしょう。テレワークを導入すると、そういった従業員を新しい働き方で雇用することができます。今までどおりフルタイムでは働けないかもしれませんが、それでも人材不足の時代に今まで働き続けてくれていた従業員を環境や事情を理由に退職させずにすむのは、テレワークを導入する大きなメリットといえるはずです。
株式会社パーソル総合研究所の調査によると、緊急事態宣言が発令する前の2020年3月のテレワーク導入率は13.2%だったのに対して、緊急事態宣言後の2020年4月中旬のテレワーク導入率は27%にアップしています。前月比はおよそ2倍となっており、対象地域を発令された7都府県に絞ると38%、東京都のみだと49%という結果です。昨今の状況から「テレワークを導入せざる終えなくなった企業」は多いと考えることができるでしょう。ただし、政府が目指している「出勤者7割減には達していない」のが現実です。
また、緊急事態宣言が解除された5月29日の段階では30.5%、6月2日は23%と、一度テレワークを導入した企業でも、宣言解除後に「元の働き方に戻している」ことが多くなっています。やはり、事前準備などをしていないと「導入した意味がなかった」「失敗だった」と感じてしまいやすいのでしょう。
【参考サイト】
株式会社パーソナル総合研究所「緊急事態宣言(7都府県)後のテレワークの実態について、全国2.5万人規模の調査結果を発表
テレワーク実施率は全国平均で27.9%。1か月前の13.2%に比べて2倍以上」
https://rc.persol-group.co.jp/news/202004170001.html
この記事では、テレワークを導入した企業について詳しく解説をしてきました。どのような特徴を持つ企業が成功しやすくて、どのような特徴を持つ企業が失敗しやすいのかがお分かりいただけたかと思います。テレワークの導入は簡単なものではありません。しかし、導入をすることで起こりうるメリットは数多くあるので、慎重に検討をし、事前準備を怠らないようにすると、導入成功の未来を導くことができるでしょう。
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