オンボーディング Onboarding 「新卒社員」や「中途社員」が辞めない仕組みづくり
『オンボーディング』とは、新入社員をスムーズに社内に溶け込ませ、パフォーマンスを上げさせるための一連の仕組みづくりを言います。この冊子ではHR先進国であるアメリカ企業の事例も踏まえ、人材育成のための最新のメソッドを解説。
オンボーディングの具体的な取り組み方をご紹介しています。
テレワーク
公開日:2021.5.26
テレワークを導入する際には、必ず何らかのコストがかかります。それは金銭的にも、労働力的にも同じです。ただ、今はコスト面を理由にしてテレワークの導入を行わないのはもったいない状況です。実は、労働力面でも金銭面でも、導入をサポートする機関が複数存在しているからです。
さっそくテレワークの導入のサポートを行っている機関と、その具体的な支援内容について見ていきましょう。
目次
テレワークは、今や各企業においても取り入れなくてはならない急務の作業となっています。実際、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大を皮切りに、さまざまな企業がテレワークを導入しています。総務省の調査によると、2020年の東京のテレワーク実施率は30%に迫ろうとしており、1年前の調査の10%前後と比較すると、多くの企業がテレワークの導入を検討・実施しているのがわかります。
その際、すべての企業が自社の力のみで導入を行ったわけではありません。多くの企業は支援機関の協力を受けながら導入しています。具体的に支援してくれる機関には、公的な機関と民間の2つが存在します。
公的な機関としては、総務省や厚生労働省、地方自治体などがあります。そのサポートの多くは金銭面でのサポートです。導入のためにかかる費用の一部を公的な機関が負担してくれるので、比較的安価に導入することができます。
もう一つの民間機関では、提示する料金を支払うことで導入をサポートしてもらうことができます。その内容としては主にマンパワー面でのサポートが多く、難易度の高い勤怠管理のプログラムや業務ルールの整理などを、これまでの経験をもとにしてサポートしてもらうことが可能です。
在宅勤務の採用する際にサポートしてくれる公的な機関と、主な支援内容を紹介します。なお、ここで紹介している機関は数ある機関の一部であり、すでに申し込みが終了している場合もあります。また、支援対象の条件などで支援を受けられる機関が変わるので、それぞれの企業で支援を受けるべき企業を検討しましょう。
総務省が提供しているのは、「テレワークマネージャー相談事業」です。利用料金は無料、利用する制限も特にありません。テレワークを導入しようとしている企業に対して、どのようなツールを使えばいいのか、ルール整備はどのように行うのかを、専門的な知識を持ったスペシャリストがアドバイスしてくれます。
支援回数に上限はなく、気になることがあるのならば何度でも相談を受けることが可能です(時間制限あり)。経営者にとって特に嬉しいのは、セキュリティ対策の面に関しても専門家からの意見を受け整備ができることです。さらに、派遣訪問を依頼することも可能。現状を視察してもらいながらの支援を行うこともできます。
ただし、あくまでもテレワーク導入のサポートのみなので、実際にセッティングをしたり、ルールを発案するのは経営の判断に任せられるという点には注意しましょう。サポートを行ってくれるといっても、任せれば自動的にテレワークの仕組みを導入してもらえるというわけではありません。
厚生労働省は、主に国家予算に基づいて企業に対する支援を行います。具体的にどのような支援が行われるのかはその年の予算によって異なりますが、共通しているのは「働き方改革」を主眼においた予算から助成金を捻出するという点です。
テレワークの導入を希望する中小企業はすべてこの支援を受ける権利がありますが、事前に事業計画書の提出と審査があります。そのため、作成する書類がうまくいっていなければ、支援を受けることはできません。
とはいえ、前述した総務省のテレワークマネージャーに相談することで、書類の作成方法をレクチャーしてもらうことも可能です。募集要項を見ても支援の対象なのかどうか不安な場合は、マネージャーの支援を受けるといいでしょう。
経済産業省は、「IT導入補助金」として、ITツールの導入を主にした助成金を提供しています。こちらも対象は中小企業および小規模事業者です。この助成金は、企業が次のステップに進むにあたってITツールを導入する際、事業計画書の提出を必須として、ITツールにかかる料金を一部補助してくれます。
当然ながら支援の前には厳正な審査があります。とはいえ、どういった点で審査されるのかは事前に公開されているため、自分の会社が条件に合っているかどうかは申請前に判断することができるでしょう。
地方自治体による支援は、政府による支援と比べると、より綿密なサポートを受けられる傾向にあります。例として、東京都のではテレワーク化のために行うべきことを専門家が無償で指摘してくれる「ワークスタイル変革コンサルティング」や、テレワーク用の機器にかかる費用を一部負担してくれる助成金など、さまざまな支援を受けることが可能です。
他にも、地方にオフィスを構えている企業のみが受けられる支援金など、地域によって多様なサポートを受けることができます。
支援を行っているのは、公的な機関だけではありません。民間の支援を受けることも可能です。もちろん、公的な機関のものとは異なり、条件さえ満たしていれば無条件かつ無料で支援してもらえるわけではありません。基本的に、民間のテレワーク支援は有料です。
ただし、民間の機関は、公的な機関よりもさらにわかりやすく、それでいて実際の作業を代行して貰えるなどのメリットもあります。特に、民間企業であれば具体的なツールの名前や企業名を出しながらサポートしてもらうことができるため、実例を参考にしながら支援をしてもらうことが可能です。
さらに、民間企業は一般的に対応が早く、審査で待たされることもそれほどありません。また、企業の事情を鑑みたツール選択をしてくれるので、導入にあたって理想的な環境をつくりやすいことも魅力的です。さらに機関によっては、テレワーク利用の周知までサービスしてくれます。
このように、有料とはいえ、民間の支援機関には民間の支援機関なりの魅力があります。自分の企業の事情にあわせて、有効な手段を選択しましょう。
仕事をテレワーク化するにあたって、公的な支援はベストな手段の一つです。特に、テレワークの導入費用が大きな痛手になりやすい中小企業は、ぜひ公的な支援に頼るべきででしょう。
それでもしわかりづらいと感じた場合は、民間企業の支援を受けることも考えてみましょう。特に、ITツールに明るくない場合はより具体的でわかりやすい説明をしてくれる民間企業に依頼するのもおすすめです。
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