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人材育成・開発・研修

ユーザーの満足を第一に考えるクックパッドの新卒採用・育成手法

公開日:2019.5.8

    “毎日の料理を楽しみにする”というミッションのもと、1998年3月に料理レシピ投稿・検索サービス『クックパッド』の提供を開始した、クックパッド株式会社。国内では月間約5,400万人に利用されており、世界71カ国26言語でサービスを展開しています。
    同社は採用や研修に対して独自の考え方を持っており、それに基づいて採用・育成を行うことで多くの優秀なエンジニアやデザイナーが活躍する組織形成を成功させています。
    今回はどういった社員を採用しているのか、また社員の教育をどう行っているのかについてCTO室 室長 庄司 嘉織氏に伺いました。


    研修はそれぞれのプロフェッショナルに任せる

    入社後に行う新卒向けの研修カリキュラムでこだわっていることはありますか?

    庄司氏:
    まず前提として、新卒であってもスキルを持っている人に入社していただいているので、年齢や社歴に関係なくプロフェッショナルとして向き合います。ですので、研修も長期間行うことはなく、現場で力を発揮してもらうことが1番いいと思っています。最低限社会人として身につけておきたい、一般常識やビジネスマナーなどについては外部の講師に委託しています。

    新卒向けのオリエンテーションやワークショップはどういったものを実施していますか?

    庄司氏:
    オリエンテーションでは各部署の紹介や経費精算の方法等、社内のルールについて共有しています。ワークショップは会社のミッションを正しく理解してもらうほか、実際に社内で導入しているサービス開発の手法や、フレームワークであるデザインスプリントを体験してもらい、サービスのリリースにおける業務の流れを経験してもらいます。その後、ジョブローテーションでいろいろな部門やチームで実務に携わってもらいます。エンジニアとして入社していても、ジョブローテーションのときに営業などを経験していると、後にサービスを開発する際、売る人の気持ちや買う人の気持ちを理解することにつながります。

    ビジネスマナー研修や合宿については外部委託することにしたとのことですが、その経緯と理由とは何ですか?

    庄司氏:
    ワークショップで扱うミッションやサービス開発の手法は、社員しか教えることができないですし、そのワークショップの講師に適した社員がいます。しかし、ビジネスマナーに関してはその道のプロに教えていただいたほうが良いと思ったので、外部の講師に委託しています。

    採用は会社のカルチャーにマッチしているかどうかも重要

    新卒採用の面接はどのような内容ですか?また、入社後スムーズに会社に溶け込めるための施策などはありますか?

    庄司氏:
    新卒採用の面接は2回行っています。エンジニアの面接ですと、1次面接は部長職のエンジニアと現場で働いているエンジニアの2人で行い、2次面接はCTOと人事責任者が担当します。
    1次面接では、エンジニアが面接官を務めているので、技術面に関して完全に見極めてほしいと私から面接官にお願いしています。学生の技術力がわからない状態で2次面接に上げることはやめてほしいと明確に伝えています。社内でエンジニアとして活躍できる技術力があるのか、力を発揮できるのかを面接のときにしっかり把握し、技術的なミスマッチを防いでいます。そして、2次面接では主にカルチャーにマッチしているかを見ています。具体的には、私たちがやりたい「毎日の料理を楽しみにする」というミッションに意義を見出してくれているかなどです。

    インターンからの社員登用を行っているとのことですが、有能な社員候補を見極めるポイントはありますか?

    庄司氏:
    就業型のインターンで最も重視しているポイントは、自ら課題を発見して業務を推進しているか、仕事を率先してやっているかといった課題発見能力と推進力、そして姿勢です。自主性があり積極的に動ける人、自分が「やりたいこと」をやりたいといえることが大事なポイントになります。
    このポイントはインターンだけではなく、新卒採用においても重視しています。創業者の佐野の言葉に「やりたいこと、できること、会社としてやるべきことの3つが重なっている部分が1番成果が出る」といったものがあるのですが、クックパッドでは「やりたいことがある」ということをすごく重要な要素だと考えています。

    スキルを持った新卒に入社してもらうことが前提

    採用条件としてスキルを持った人を重視されている理由はありますか?

    庄司氏:
    私たちはユーザーにサービスを提供していますので、エンジニアとして入社するのであれば、最低限ここまでプログラミングができてほしいと技術力の線引きをしています。技術力があった上で、技術を使ってどういう価値を提供するのかを一緒に考えていきたいと思っています。

    面接以外にスキルを見極める方法はありますか?

    庄司氏:
    新卒採用はエンジニア・デザイナーともに、技術の能力を見極めるために試験を行っています。エンジニア志望の学生には、こちらからコーディングのテストを出し、実際にプログラムを書いて提出してもらいます。一方、デザイナー志望の学生にはポートフォリオと課題を提出してもらいます。エンジニアとデザイナー志望の学生に対して、それぞれしっかりした技術試験を行っています。

    一番大事なのは「面白い仕事を与えること」

    入社後に社員のスキルアップや離職防止を図るための施策や制度はありますか?

    庄司氏:
    技術系のカンファレンスへの参加は立候補を受け入れており、積極的に参加していただきたいと考えております。ほかには、「Hackarade(ハッカレード)」という社内ハッカソンを実施しています。社内の全エンジニアを集め、「普段扱う技術とは少し違うけれど、10年先も役立つもの」を意識してテーマを設定し、成長できるような場となるように工夫しています。例えば、プログラミング言語を作ってみたり、インフラストラクチャーを含めたサーバーの高速化に取り組んだり、直近ではIoTを題材に取り上げました。
    技術が好き、デザインが好きという社員が多いので、こういった取り組み以外にも社内ではそこかしこで勉強会が立ち上がっています。
    スキルアップも離職防止も「チャレンジングで面白い仕事を本人にあげること」が1番大事だと思います。一人ひとりに面白くて成長できる仕事や環境を与えることが大前提だと考えています。

    まとめ

    一人ひとりが自分のスキルを活かして、面白い仕事に取り組めるクックパッド株式会社。仕事だけでなく、スキルアップの面でも社員の自主性が発揮されている環境ですので、やりたいことがある人にとっては最高の環境だと思います。ユーザーの高い満足度が保たれているのは、この素晴らしい環境や人材の活躍によるものが大きいのではないでしょうか。優秀な人材の確保や社員の育成に困っている企業の方がいましたら、ぜひクックパッド株式会社の採用・育成を参考にしてみてください。

    この記事を書いた人

    HR BLOG編集部

    このブログでは、「経営者と役員とともに社会を『HAPPY』にする」 をテーマに、HR領域の情報を発信しています。

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