リーダーにはマネジメント能力が求められます。これがないとリーダーになっても業務はスムーズに進行しないでしょう。そこで、改めてマネジメント能力とは何か、能力を向上させるにはどうすればいいかを解説いたします。
目次
マネジメント能力とは?
マネジメント能力とは、人材などを管理するための能力のことです。組織のトップや管理職に求められる能力であり、いかに既存の人材を活用して最善の結果を実現できるかは、このスキル次第ともいえます。マネジメント能力のあるリーダーがいるならば、少ない人材や限られた時間であっても、可能な限りの成果を上げることができます。逆にどれだけ人材や時間が豊富だったとしても、マネジメント能力が不足していると良い結果を期待することは難しいといえます。
マネジメント能力とリーダーシップの違い
マネジメント能力とよく似たものとしてリーダーシップがあります。リーダーシップとは主に人材を対象としたものであり、マネジメント能力は人材だけではなくモノやお金の管理も含んでいるのが違いです。したがって、マネジメント能力の中にリーダーシップが含まれていると考えられます。マネジメント能力を有する人はリーダーシップを発揮することができるといえるのです。
マネジメント能力がない人の特徴3選
マネジメント能力の足りない人には共通点が存在します。よくみられる特徴を3つご紹介しましょう。
リーダーシップのない人
リーダーシップはマネジメント能力を発揮するうえで重要な要素であり、この能力のない人はマネジメント能力も低い可能性があります。部下を上手く管理するためには部下から信頼される必要があります。自分の意見をしっかりと持っていて、それを部下に伝えて納得してもらえることが必要です。こういったリーダーシップを発揮できない人はマネジメント能力にも欠けており、そのままでは管理職として働くのに適していないといえるでしょう。
ミスを認めない
自分のミスを認めることができない人は、マネジメント能力が不足しているといえるでしょう。マネジメント能力には、間違いを修正して正すという作業も含まれています。自分のミスを素直に認めることができない人は、ミスを放置したり隠そうとしたりする傾向があります。これは管理職として一番やってはいけないことです。自分がミスをしたときは素直にそれを認めて改善することが大切です。それができなければ、マネジメント能力を発揮することは難しくなります。
説明が下手
マネジメントをするうえで部下に指示することはとても大切です。部下に適切な指示を出すことによって、上手くチームを管理することがマネジメントにおいて重要だからです。したがって、他人に説明をするのが下手な人はマネジメント能力不足といえるでしょう。指示内容がわかりにくいと、自分が望んでいるのとは違う結果が出てしまうことになります。自分の計画どおりに物事が進まなければ、それはマネジメントの失敗を引き起こします。具体的で明確な指示をできることがマネジメントでは重要です。
『能力がないかも』と不安になっている人必見!マネジメント能力がある人の特徴
マネジメント能力のある人の特徴について紹介しましょう。
分析力がある
マネジメントを上手く進めるためには、現状を把握して分析する力が必要不可欠です。今どんな課題があるのか認識することができなければ、マネジメントの方向性を決めることすら難しくなります。分析力は論理的に物事を考える力と言い換えることもできます。つまりロジカルシンキング(論理的思考)ができることです。感情や感覚で物事を判断するのではなく、常に論理性を重視して、客観的な視点から物事を判断できる人は、マネジメント能力も高いことが多いです。
計画性がある
管理職としてプロジェクトのマネジメントを任されたならば、期限までに目的を達成しなければいけません。そのため、期間中にいつ何をするのか綿密に計画することが求められます。計画性はマネジメントにおいて必要不可欠なものといえるのです。計画性のある人は、それだけでマネジメント能力が高いといえるでしょう。綿密な計画を立てるためには、個々のメンバーの能力を熟知して、あらゆるリスクを想定し、期日までに目標達成できるように万全な計画を立てる必要があります。
コミュニケーションスキルがある
マネジメントをする際には部下との関わりがとても重要です。指示を出して、質の高い仕事をしてもらうためには、頻繁に部下とコミュニケーションを取り、信頼関係を築いておく必要があります。単に部下へ指示を出すだけではなく、部下の能力を引き出して、最高のパフォーマンスを発揮できるように促すことも大切です。また、部下の話を聞いて状況を正確に理解したり、希望や不満を引き出したりすることも重要です。こういったことを問題なく行うためには、高いコミュニケーションスキルが要求されます。コミュニケーション力に優れた人は、マネジメントに向いているといえるでしょう。
マネジメント能力がない悩みは『スキルアップ』で改善
現時点でマネジメント能力がないとしても、そこで諦めてはいけません。マネジメント能力は先天的な才能ではなくて、努力によって身に付けることができるスキルです。たとえ、今はマネジメント能力に欠けていたとしても、そのことを自覚して、スキルアップのための努力をすることで誰でも改善することができます。そうすれば、管理職としてマネジメントスキルを発揮できるようになるでしょう。
マネジメント能力を向上させるポイント
マネジメント能力を向上させるために知っておきたいポイントをまとめました。
他人の話をしっかりと聞く
マネジメントとは上から下に対して命令をすることだと勘違いしている人が多いです。実際には、マネジメントは多くの人と協調することが大切です。そのためには、それぞれの考え方や希望、不満などを正確に把握することが重要です。そこで、他人の話をしっかりと集中して聞くことを心がけましょう。相手の話を最初から否定するのではなく、受け入れる姿勢を持つことが大切です。相手の話に傾聴する姿勢を見せれば、相手から信頼されやすくなるというメリットもあります。
研修を受ける
マネジメント能力に関する研修はたくさんあります。企業が研修をすでに実施しているのであれば、そちらに積極的に参加するとよいでしょう。また、外部の研修サービスを利用するという方法もあります。自由に参加できるマネジメントに関する研修や講習会のような機会はたくさんあり、専門家からマネジメント能力に関する重要な話を聞くことができます。どうすればマネジメント能力を向上させられるのかポイントを知ることもできるでしょう。
マネジメント能力に関する書籍を読む
書籍で学ぶことも有効です。マネジメント能力について解説しているビジネス書はたくさんあります。マネジメント能力に関してはさまざまな理論や方法論が存在しているため、書籍を通してそれらに触れてみるとよいです。すべてを参考にする必要はなく、自分に向いているものや重要度の高いものを選択してください。
質問力を高める
マネジメント能力を高めたいならば、良い質問ができることを意識しましょう。部下に質問をすることでさまざまな情報を引き出せるようにすることが大切です。質問にはいろいろなスタイルが存在しています。Why型の質問とWhat型の質問、HOW型など、それぞれ使い分けるとよいでしょう。
マネジメント能力がを磨くために。おすすめの資格取得
マネジメント能力に関連した資格が存在します。おすすめの資格について紹介しましょう。
ビジネスマネジャー検定
こちらは管理職が身につけておくべきマネジメントに関する知識を学ぶことができる検定試験です。チームとして成果を出すことを目的として、そのために知識を厳選しています。難易度はそれほど難しいわけではなく、公式テキストと過去問を活用してしっかりと勉強すれば合格できるレベルです。この検定試験の勉強を通してマネジメントのための基本を学ぶことができます。これからマネジメント能力を高めたい人がまず手を付けるべき資格といえるでしょう。テキストや過去問、受験料を合わせたとしても2万円程度に抑えることができるなど、負担の少なさから気軽に受験できます。
PMP
こちらはPMI(米国プロジェクトマネジメント協会)の認定しているプロジェクトマネジメント資格です。PMBOKガイドというテキストを用いてプロジェクトを立ち上げるところから終結させるまでに必要なさまざまな知識を学ぶことができます。グローバルな資格であり、世界各国に支部が存在しているため、国際的にも認知されています。受験するためにはいくつか要件を満たしている必要があり、合格率は6割程度とされているため、比較的難易度は高いです。世界基準のマネジメント能力を身につけたいという人におすすめの資格です。
メンタルヘルス・マネジメント検定試験
こちらは企業で働いている人のメンタルヘルスに着目した資格です。メンタルケアについての知識やスキルを習得することができます。マネジメントする立場になったならば、部下のメンタルケアをすることも重要な役割といえるでしょう。メンタル面に問題を抱えているサラリーマンは日本中にたくさん存在していて社会問題にもなっています。これから管理職につくならば、こちらの資格に注目してみましょう。
経営学検定(マネジメント検定)
経営に関した知識やスキルの認定を行っている検定試験です。その中にはマネジメントに関する知識も当然含まれています。これから管理職としてマネジメントに携わるのであれば、持っていて損をしない資格と言えます。
まとめ
マネジメント能力についてまとめました。マネジメント能力は努力によって身につけることが可能なものです。ぜひ、スキル向上を目指してみましょう。